ジベレリン受容体は、核内にあった。

Ueguchi-Tanaka M, Ashikari M, Nakajima M, Itoh H, Katoh E, Kobayashi M, Chow TY, Hsing YI, Kitano H, Yamaguchi I, Matsuoka M.
GIBBERELLIN INSENSITIVE DWARF1 encodes a soluble receptor for gibberellin.
Nature. 2005 Sep 29;437(7059):693-8.

遅ればせながら。様々な思いが巡る論文。
結局はミュータントから取られてしまったか。。


GA不応答性dwarf mutantであるgid1から、GID1遺伝子がクローニングされた。GID1がコードするタンパク質はHSL(hormone-sesnsitive lipase) familyタンパク質にホモロジーがあるが、HSL活性はない。GID1-GFPをアクチンプロモーター下で発現させると、核内に強く、サイトゾルに弱く局在が見られる。この局在はGA生合成阻害剤であるウニコナゾールやGA3処理では変化しない。GST-GID1は活性型GAにのみ結合する。GA4/GST-GID1のKdは1.4 x 10-6であった。GID1はGA signalingのnegative regulatorであるSLR1にGA依存的に結合する(two hybrid assay)。GID1を過剰発現すると、GA高感受性の表現型を示す。
以上より、GID1がGA受容体であることが示された。リガンドがどこで受容されるかわからないが、リガンド依存的にnegative regulatorの抑制をはずすというモデルは面白い。植物の根管を成すホルモンのシグナリングは、動物とそこまで違っているのか・・・。それとも、動物ではまだ見つかっていないだけなのか。

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酵素活性は無いであろうと書いてあったが、リガンドはHSLファミリーの基質認識部位に入るのだろうか?