Panchan N, Bendena WG, Bowser P, Lungchukiet P, Tobe SS, Sithigorngul W, Chaivisuthangkura P, Rangsiruji A, Petsom A, Pewnim T, Sithigorngul P.
Immunolocalization of allatostatin-like neuropeptides and their putative receptor in eyestalks of the tiger prawn, Penaeus monodon.
Peptides. 2003 Oct;24(10):1563-70.

甲殻類で allatostatin-like なペプチドが取られていたことを知らなかった。Sithigorngul さんは、眼柄内の FMRFamide の構造決定をやっている人のようだ。Penaeus monodon (ブラックタイガー) の眼柄内を4種類の allatostatin 抗体で染色。medulla terminalis と medulla externa、それと X器官の細胞が強く染まっていた。putative allatostatin receptor である DAR-2 のN末抗体でウェスタンしたら、眼柄抽出物が染まった。サイズは同じ。同じように眼柄も見てみると、これまた X器官で強い染色が見られた。リガンドと受容体の発現位置が重なったことと、染まった神経が短いものばかりだったことから、甲殻類では allatostatin は neuromodulator として機能しているのではないかということだ。うーん。本当は methyl farnesoate (MF) inhibitor として期待していたのではなかったのだろうか。活性あるみたいだし。MF は幼若ホルモンの前駆体なわけだが、甲殻類ではイマイチ機能がはっきりしない。ウプサラでも MF が vitellogenesis を抑制するという報告があったが、そんなに強いものでもなかったし。
ま、いずれにせよ眼柄内にこんな重要そうなペプチドが存在することが示された上に、受容体まで眼柄内にありそうだということ。ペプチドホルモンの受容体が眼柄内で指摘されたのは初めてだと思う。こんな形でくやしいなぁ。相変わらず機能につながっていかないのが痛い。

Bowser PR, Tobe SS.
Immunocytochemical analysis of putative allatostatin receptor (DAR-2) distribution in the CNS of larval Drosophila melanogaster.
Peptides. 2005 Jan;26(1):81-7.

あ、なんだ。Tobe さんが作ってた DAR-2 抗体がちょうど完成したとこだったわけだね。この人は横のフットワークが軽くていいなぁ。